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浪曲のジャンルを捉え直す
第5回(全5回+まとめ3回)ー


浪曲可能性をジャンルから探る
第5回目の今回は、
滑稽物、怪談・怪奇物、シリーズ物
を取り上げます。


滑稽物は笑い話です。


怪談・怪奇ものは、
未知との遭遇です。


掘り下げると、
意外な結果になりました。


シリーズ物は、
シリーズ物ならではの、
外すべきではないポイント
がありました。


「滑稽」物


「滑稽」物とは、笑える話です。
ゲラゲラと笑える話は、今でも大人気です。


笑いのツボは人それぞれです。


ツボを外すと、
面白さが伝わらないですよね。


それだけに、笑いとは、
深いテーマともいえます。


面白いか面白くないか。



結果はシンプルですが、
万人を狙って笑わせるには、
高度な芸が必要です。


万人が笑える話を提供すること、
それが「滑稽」物のテーマかもしれません。


とはいえ
笑える話であれば全て、
「滑稽」物のテーマになりえます。


笑えない話も笑える話にアレンジ
すれば、
「滑稽」物の守備範囲に入ります。


それらを
「万人が笑える定番作品」
にすること、
それこそが「滑稽」物の到達点
ではないでしょうか?


笑うことは健康に良い
という話があるぐらいで、
笑うと気分もスッキリします。


気分がスッキリすると、
物事も上手く行きやすいですよね。


「笑える定番作品」
がある人の人生は、
実り豊かな人生になりうるのです。


「怪談・怪奇」物


「怪談・怪奇」物は、
今でも人気ですね。


怪談といえば、
稲川淳二さんが思い浮かびます。


「怖いもの見たさ」
という言葉があるように、
怖いものや不思議なものは
人間、確認します。


動物としての本能から
危険を確認したいのでしょうか?


それとも好奇心から見る
のでしょうか?


好奇心は、
「奇妙なことを好む心」と書きます。


「奇妙なこと」とは、
「新しいこと・新鮮なこと」です。
NEWSのことですね。


「怪談・怪奇」物は、
「未知との遭遇の物語」です。


ここから視点を少しずらします。


好奇心は、
人間に新しいことにチャレンジする
行動をとらせる、
キッカケになります。


動物的本能は、
人間に瞬発的で衝動的な行動
をとらせます。


そうみると、
「怪談・怪奇」物は、
「人間の行動力に関わる物語」です。



ここで2つを統合して、
視点を広げます。


人間は、
未知な物事に対して行動して
進化してきました。


そう考えると、
「怪談怪奇」物は、
「人間の進化の源泉に関わる物語」
といえるでしょう。


「人間の進化の源泉」=
「未知との遭遇」+
「その時の人間の行動力」
ということです。


大岡政談シリーズ・姿三四郎シリーズ


「大岡政談」とは、
大岡越前の裁きについてでしょうか。


「姿三四郎」は、
柔道家の姿三四郎さんですね。


これらのように、
人気のある人物やその行為
を取り上げて、
シリーズものにすることも
あるようです。


ドラマでも小説でも、
人気のある話はシリーズ化
しますよね。


人気のある題材を扱うことで、
聴いている方も、
安心して聴いてられます。


シリーズ物の良いところは、
人気を探りながら、
どんどん話を追加していける
ことです。


その作品の中で、
話の構成が「お決まりのパターン」
だと、
話の筋を気にせずに聴けます。



普通は話の筋が在り来たりだと、
つまらないものです。


しかし、
「お決まりのパターン」が決まれば、
在り来たりの話の筋が、
安心感になります。


人間は、
何もかもに意識を向けられません。
どこかにモレが生じます。


話の筋を「お決まりのパターン」に
することで、
他の部分に意識を集中
してもらえます。


そうすることで聴いている側は、
話の筋以外を深く味わえるのです。



つまりシリーズ物は、
どこに力点を置いて魅せるか
が勝負です。

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