dog-647528_640.jpg

浪曲のジャンルを捉え直す
第3回(全5回)ー


浪曲可能性をジャンルから探る
第3回目の今回は、
お家騒動物、赤穂義士伝、戦争物
を取り上げます。


お家騒動物と戦争物は、
共に動物的本能が刺激される
物語です。


そんな時は、
普段やらない様な行動が
やるものです。


赤穂義士伝は、定番ものです。

これらを
視野を広げながら捉え直すことで、
浪曲がより馴染み深いもの
になるしょう。

「お家騒動」物

「お家騒動」物とは、
武士等の家の
お家騒動での人間ドラマですね。

今でいえば、
会社の事業承継でしょうか。

ちょっと視点をずらして、
人が1人亡くなることで起きるドラマ、
と捉えると、
葬式での人間ドラマでしょうか。

今でも関心の高い題材ですよね。

さらに視野を広げると、
サスペンスなんかも入ってきます。
サスペンスは今でも人気ですよね。

サスペンスは、
推理する楽しさもありますので、
余計に人気なのでしょうね。

なぜ?・Why? という疑問は、
人間にとって根源的な疑問
だそうですよ。

その疑問をうまく刺激する
サスペンスは、
爽快ですよね。

そこに非常時における人間ドラマが
加わるのです。

非常時の行動には、
その人の人間性が1番でる、
という話があります。

誰かが亡くなった時は、
非常時です。

それが近しい人であれば、
なおさらですよね。

そんな時は特に、
人間の動物的生存本能を刺激する
ようです。

その結果、
隠れていた部分が強く表にでて、
「お家騒動」
が起きたりするのですね。

関わっている本人たちは大変ですが、
ハタから観ると、
意外な人間ドラマが見れます。

ドラマでも、
市原悦子さんの家政婦で人気を博した
『 家政婦は見た 』
があります。

あのドラマも、
「 非常時における人間ドラマ 」
が魅力でした。

人間の本能を刺激する非常時

そこで起きる人間ドラマは、
いつの時代でも求められるはずです。

「赤穂義士伝」

「赤穂義士伝」は、
誰でも知っている有名な題材です。
つまり『 忠臣蔵 』です。

今はメディアが発達してますので、
誰でも知っているような
それでいて魅力的な題材を探すのは、
それほど苦労しません。

ただし現在生きている人物を
実際に扱うには、
繊細な問題がある
かもしれませんが。

しかしそこに配慮しさえすれば、
観る方は取っ付き易く、
演じる方は伝えやすい、
そんな「 定番の演目 」
になります。

今でも、
定番物は根強い人気がありますよね。

現代に生きている人物を扱うのも
1つの手ですが、
視点をずらすと著作権や肖像権等の
繊細な問題を回避できます。

つまり、
「 昔話 」などを扱うことです。

もしくは、
著作権切れの有名な作品を
扱うことです。

浪曲で、『 桃太郎 』などを扱っても、
面白いかもしれません。
既にあるかもしれませんが。


「 auの三太郎のCM 」は、
人気ですよね。

誰にでも馴染みのある題材には、
根強い人気があるのです。

「戦争」物

「戦争」物は、
戦争時の人間ドラマです。

文学で言えば、
トルストイの『 戦争と平和 』
戦争物ですね。

アニメで言えば、
宮崎駿監督の『 天空の城ラピュタ 』
なんかも「戦争」物です。

非常時には、
その人の人間性が最もでる
といいます。

それだけに、
人間ドラマとして関心が高い
のでしょう。

この点は、
「お家騒動」物と共通しています。

「お家騒動」物の場合は、
“ 家(会社)を継ぐ ”とか“ 財産を継ぐ ”
ことが主なテーマです。

家(会社)の代表者が亡くなって、
財産や面子の騒動が表面化する
のです。

争う当事者の命が
危険にさらされることもありますが、
それは副次的なことです。

それに対して「戦争」物では、
関わっている人は多かれ少なかれ、
生命の危険を感じます。

つまり、
「戦争」物の主なテーマは、
「 生命 」です。

もちろん、
スポットを当てる場所によって、
ドラマの姿は異なります。

しかし、
「 生命の危険にさらされている 」
ということは、
当事者が意識するしないに関わらず、
事実です。

その危険な空気が、
「 生存のための行動 」
をとらせるんですね。

生命が主なテーマというと
重く感じがちですが、
他の要素を強く魅せることで
印象はガラリと変わります。

『 天空の城ラピュタ 』は
重くないですよね。

» 「 まとめ 」 はこちらへ