sunset-850873_640.jpg

浪曲のジャンルを捉え直す
まとめの後編(全3回)ー


前回までで浪曲の大きな軸のうち、
関係性(事)が軸のジャンル、
人物(集団)が軸のジャンル
を取り上げました。


今回は残り2つのジャンルを取り上げます。


人間の根源が軸のジャンルと
馴染みのある素材が軸のジャンルです。


両極端ともいえる2つの軸ですが、
ともに人間の側面です。


人間の根源が軸のジャンルとは?


人間の根源が軸のジャンルとは、
人間が人間であるために起きる
物語です。


浪曲のジャンルとしては、
「怪談・怪奇」物です。


「怪談・怪奇」物は、
「 未知との遭遇の物語 」です。


未知との遭遇は、
人間を行動的にさせるキッカケになります。


そうみると、
「 人間の行動力に関わる物語 」
ともいえます。


未知と遭遇し行動することは、
人間の進化の根本的なキッカケになります。


そうすると「怪談・怪奇」物は、
「 人間の進化の源泉を軸にした物語 」
となります。


人間の進化の源泉は、人間の根源です。


進化するからこそ、
動物から人間になりました。


人間が人間であるためには、
未知な物と接触し、
それを自分の中に吸収する
必要があるのです。


新しい物事を身につける時は、
まさに進化しているのです。


その進化のキッカケは、
未知への恐怖であったり、
未知への好奇心であったりします。


そのどちらも、
人間にとって根源的なものです。


観客の心の深い部分を動かせるか、
それが全てです。


馴染みのある素材が軸


馴染みのある素材が軸のジャンルとは、
慣れ親しんだ素材に
浪曲なりのアレンジをした物語です。


浪曲のジャンルとしては、
「世話」物・「歌舞伎」物
「浄瑠璃」物・「落語」物
「赤穂義士伝」
「大岡政談」シリーズ
「姿三四郎」シリーズです。


世話」物は、
「 普通の人の日常を軸にした物語 」です。


大抵の人にとって馴染みのある日常
が素材です。


淡々としがちな日常に
ドラマをどう見出すかが全てです。


世話」物・「歌舞伎」物
「浄瑠璃」物・「落語」物
「赤穂義士伝」
「大岡政談」シリーズ
「姿三四郎」シリーズは、
「多くの人に馴染みのある物語」です。
もっとも現代においては、
馴染みのない人も多々いるでしょう。


しかしこのあたりは、
完成したコンテンツであれば、
何でも素材になります。


現代で有名な作品を素材として使えば、
その全てが浪曲になります。


それをどう浪曲なりに料理するか、
それで全てが決まるジャンルです。


慣れ親しんだ素材ですので、
味付けが全てです。


「滑稽」物は、
「 笑える定番の物語 」です。


緊張していては、笑えません。


その意味で、慣れ親しんだ素材が軸
のジャンルに入れました。


また、
定番物であるべきということからも、
こちらのジャンルにしました。


いつでも笑えること、
誰でも笑えること、
どこでも笑えること、
どんな情況でも笑えること、
笑える物語であることが全てです。

Sponsored Link

全体のまとめ


3回にわたって、
浪曲の4大ジャンルをみてきました。


順番に、
関係性(事)が軸のジャンル、
人物(集団)が軸のジャンル、
人間の根源が軸のジャンルに
馴染みのある素材が軸のジャンルです。


軸を明確にすることで、
物語の広がり方やその深さを
体感しやすくなります。


構造が分からない物より、
構造が分かる物の方が、
全体をイメージし易いですよね。


今回の軸決めによって、
みなさんの浪曲ライフがより豊かになる
助けの1つに成れれば、と願っています。


トレンド川柳


根源に 触れると動く 魂が


よく馴染む 日常的な あのことは


あの話 馴染んだ話 アレンジで


構造は イメージ助け 味付ける


構造は 裏方として 欠かせない

Sponsored Link
………………………………………………………↑…-->