前回は、
フジテレビの月9ドラマ『 ラヴソング 』の
第1話の「 終盤 」
の1回目でした。
今回も、
「 第1話の終盤 」について書きます。
今回のテーマは、
「 佐野さくらの成長の成果 」、
「 宍戸春乃の面影 」、
そして
「 佐野さくらの絶望 」
です。
終盤4 「 佐野さくら 」、成し遂げる
佐野さくらは、新観コンパの予約の電話をします。
1度目の電話は「 何も言えずに 」切られ、
2度目の電話でも何も言えません。
携帯に映る
「 中村真美との2人の写真 」
を見て勇気をもらおうとしますが、
どうすることもできませんでした。
そして、
自分に絶望して悶えます。
舞台は、居酒屋「 さしすせそ 」。
佐野さくらが、
新観コンパの予約をしようとした場所。
神代公平は、
佐野さくらが落とした無料券を持って、
居酒屋「 さしすせそ 」
に来ています。
そこでは、
佐野さくらが新観コンパの予約のため、
「 電話ではなく 」直接来ています。
つっかえながらも、
何とか無事に予約を取る、佐野さくら。
神代公平は、
それを見守っていました。
終盤5「 神代公平 」の努力、ごきげんな「 佐野さくら 」
舞台は、宍戸夏希の家。
宍戸夏希が帰ると、
神代公平は寝ています。
ふと見ると、
「 吃音についての本 」
があります。
神代公平が見ていたのでしょう。
神代公平の良い所が見れて、
うれしそうな宍戸夏希。
次の日、
佐野さくらは、職場へ。
ごきげんにくわえタバコをくわえ、
いつもの屋上へ。
それを見かけた神代も気になって屋上へ。
亡き母が好きだった『 500マイル 』
を聴きながら、ごきげんに鼻歌。
その姿と歌声を聴いて神代公平は、
亡き恋人?の宍戸春乃の姿を
見い出します。
佐野さくらに拒否された神代公平は、
佐野さくらを助けようと、
専門分野ではない「 吃音 」
についても熱心に調べます。
宍戸夏希は、
「 自堕落ではない神代公平 」
の姿を見れて、うれしいようですね。
佐野さくらは、
ほぼ自分だけの手で
コンプレックスである
「 言葉をしゃべること 」で
新観コンパの予約をとれて、
気分は最高潮のようです。
終盤6 何気ない言葉「 佐野さくら 」どん底へ
神代は去り、
女子社員3人組がやってきます。
佐野さくらが店の予約を出来たことを、
祝福しつつ、
よさそうなイタリアンの店があるからと、
場所変更をするように佐野さくらに告げます。
何もいえない、佐野さくら。
佐野さくらは、どん底に絶望します。
この辺りの何気ない悪意の味付けは、
脚本の倉本奏子さんの得意技ですね
現実的に有りうる会話で、
何も起こってないようで、
心の中はそうでないという。
心の機微の扱いがうまいですね。
この演出が、
ドラマ全体としては
「 等身大の物語 」
であり
「 ドキュメンタリー 」
ですので、
サラッとした印象ですよね。
そこに
倉本奏子さんの演出が
良い意味でのスパイスになっています。
「 終盤4・5・6 」のまとめ
この場面の魅どころは、
佐野さくらの「 成長と挫折 」
です。
ようやく自分の足で歩き出した、
佐野さくらは、
苦心して何とか成果を出します。
おそらく、
ほぼ自分のみで成果を出したのは、
初めてなのではないでしょうか。
有頂天になった佐野さくらは、
会社の屋上でタバコを吸いながら、
お気に入りの『 500マイル 』
を聴いて、
有頂天の気分です。
その姿を神代が見て、
亡き恋人である、
宍戸春乃の姿をだぶらせます。
その後女子社員3人が、
いつものように屋上に来て、
佐野さくらの意思をほぼ無視した
会話を始めます。
佐野さくらが新観の予約をしたことを、
サラッと祝い、
サラッと場所変更の提案をし、
「 愛想笑いの佐野さくら 」
の意思を無視して、
そのままその場で、
予約のキャンセルと店変更を
してしまうのです。
普通にあるような話ですが、
佐野さくらは、
「 中村真美の結婚スピーチ 」
の可能性を閉ざされて、
絶望します。
このなにげない絶望の魅せ方が
うまいですよね。
そのサジ加減が、
人間ドキュメンタリーとしての
『 ラヴソング 』
を成り立たせているのです。
トレンド川柳
その足で 500マイルを 歩き出す
だぶらせる その歌声に 亡き姿
有頂天 歩いていける 姉のもと
この足で 試練を超えて 晴れ晴れと
日常の 自然な会話 落とし穴
日常の 言葉その名は 絶望よ
サジ加減 人間ドラマ 阻害せぬ
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